文化認識論

(世界を記述する。Since July 2016)

2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

No. 35 ジョン・レノンが見た夢(その10)

1970年4月23日、ジョンとヨーコは原初療法を受けるために、ロサンジェルスに渡ります。“ベッド・イン”を敢行するなど、自由に生きていたジョンですが、それはそれで精神的にはかなりきつい面もあったんですね。無理もないかも知れません。自由を体現すればす…

No. 34 ジョン・レノンが見た夢(その9)

“ゲット・バック・セッション”を終えたビートルズですが、この時の映像と録音は、なかなか日の目を見ません。彼らが作ったアップルというレコード会社の経営が混迷していたことと、映像の編集作業に手間取ったことが原因だと思われます。そして、ポールはビ…

No. 33 ジョン・レノンが見た夢(その8)

ジョンとヨーコが行なった“ベッド・イン”には、何とも言えない違和感があります。その理由には、“2項対立”があるように思うのです。まず、彼らは“ベッド・イン”という極めて私的な行為をメディアに公開した。ここに最初の違和感があります。言わばプライバ…

No. 32 ジョン・レノンが見た夢(その7)

人の音楽的な嗜好は、概ね十代の後半辺りで決まるのではないでしょうか。そして、音楽の流行は目まぐるしく変わります。従って、世代が異なると好きな音楽、敬愛するミュージシャンは、著しく異なります。これはもう、そういうものなので、誰の言っているこ…

No. 31 ジョン・レノンが見た夢(その6)

ホワイト・アルバムについて、一つ注意を喚起しておきたいのは、アルバムを締め括る最後の“グッド・ナイト”という曲のことです。皆様は、この曲の作者がジョンだということをご存じだったでしょうか。美しいストリングスとメロディーからして、私は長年ポー…

No. 30 ジョン・レノンが見た夢(その5)

1968年は、ジョンにとってもビートルズにとっても、あまりに多くのことが起こり過ぎた年のようです。 同年2月、ビートルズの一行は、超越的瞑想の導師(グル)であるマハリシに教えを請うため、インドのリシケシュに向かいました。女優のミア・ファローも妹…

No. 29 ジョン・レノンが見た夢(その4)

1966年9月16日、ジョージはラヴィ・シャンカールからシタールのレッスンを受けるため、インドへ渡りました。同年11月9日、ロンドンで開催されていたオノ・ヨーコの個展のプレビューで、ジョンはヨーコと出会います。アトリエの中に脚立があって、そこに登れ…

No. 28 ジョン・レノンが見た夢(その3)

1964年2月7日、ビートルズは初のアメリカ・ツアーに出発します。アメリカでも既にレコードがヒットしており、ツアーは大成功を収めます。同年4月には、ビルボード(アメリカの音楽業界誌)のヒットチャートで、1位から5位までをビートルズの曲が独占したとい…

No. 27 ジョン・レノンが見た夢(その2)

ビートルズのデビューから8か月後、1963年6月7日にローリング・ストーンズが“カム・オン”で、デビューしています。2つの偉大なロック・バンドが相次いでデビューしたのは、決して偶然ではないだろうと思います。当時のイギリスには、そういう土壌というか、…

No. 26 ジョン・レノンが見た夢(その1)

このブログのNo. 24で少し触れたこともあり、どうもジョン・レノンのことが気になって仕方がありません。しかし、なかなかその実像が見えにくい。皮肉好きな不良少年だった彼が、やがてイマジンを歌うまでになる。そこに、どんな物語があったのか、少し彼の…

No. 25 文化は科学に敗北したのか

約2か月にわたって連載してきました“文化の積み木”シリーズは、前回の記事をもちまして、完了とさせていただきます。今どき、写真もないブログにお付き合い頂き、本当に有難うございました。 仮に文化をコップとその中の水に例えますと、“文化の積み木”はコ…