文化認識論

(世界を記述する。Since July 2016)

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

No. 228 文化領域論 あとがき

文化領域論をお読みいただきました皆様、どうも有り難うございました。前回の原稿をもちまして、完了と致します。こんな面倒なことを何故、始めてしまったのか、途中、何度も後悔しましたが、なんとかゴールすることができました。 ここに記載しましたことは…

No. 227 第15章: 芸術の「その後」(その2)

小説の種類も相当ありますが、ここではまず純文学を想像系、身体系、記号系の3種類に分類して検討します。 (敬称略) 文学の世界も他の文化と同じように、基本的には神話などの「宗教的な虚構」に始まり、段階を経て「論理的現実」に向かった。その主流を…

No. 226 第15章: 芸術の「その後」(その1)

歴史的な観点から、文化を考えますと、総合的な文化としての宗教がありますが、宗教と密接な関係を持ちつつ発展してきた芸術、すなわち音楽(身体系)、美術(物質系)、文学(想像系)があります。その経緯につきましては既に述べましたので、その後、すな…

No. 225 第14章: 原理の発見(その2)

3.概念 まず、現象なり事実を発見する。そして、想像力を働かせ、時間の流れに沿って因果関係を考える。そして、多くの事例を見ていると、いくつか共通する事項が発見され、概念が生まれる。チェックポイントと言って良いかも知れません。 例えば、私たち…

No. 224 第14章: 原理の発見(その1)

この「文化領域論」も、いよいよ最終的な段階に入りました。本章におきましては、未だ検討が不十分であると感じておりました「想像系」について、記載することに致します。 さて、記号学のパースは、科学的な発見には2種類あると述べています。1つ目は「○○…

No. 223 第13章: ポピュラー音楽の潮流(その3)

5.プリンス 考えれば考える程、前回の原稿に記しました“黒人教会”というのは、優れた社会システムだと思うのです。男でも女でも、大人も子供も、参加できる。学歴だとか会社における役職など、そこでは何の意味も持たない。おまけに、悪魔や魔術に関する楽…

No. 222 第13章: ポピュラー音楽の潮流(その2)

3.ジャズ 1900年代に、ジャズはニューオーリンズで生まれた。白人の楽団が、壊れた楽器を廃棄したところ、黒人たちがこれを拾って遊び始めた。やがて、見かねた白人が、黒人たちに楽譜の読み方を教えたとも言われています。 ニューオーリンズのジャズは、…

No. 221 第13章: ポピュラー音楽の潮流(その1)

文化は伝播し、融合することによって進化しますが、それがどのようなステップによるのか。この点を考えるには、音楽、特に人々の人気をビビッドに反映するポピュラー音楽を中心に考えると、分かり易いと思うのです。 この分野においては、世界中で、日々無数…

No. 220 第12章: 原始宗教と経典を持つ宗教

特に、狩猟採集を生業としていた時代(古代)と、農耕・牧畜を生業としていた時代(中世)の文化を語る上で、宗教の問題を避けて通る訳にはいきません。これらの時代において宗教は、いくつかの文化領域に関連を持たせ、それらの進化を促してきた経緯があり…