文化認識論

(世界を記述する。Since July 2016)

文化領域論

No. 201 第4章: 競争系(その1)

1.競争系とは何か 現代日本に生きる私たちは、子供の頃から徹底して“競争系”のメンタリティを叩きこまれます。例えば、小学校の運動会でさえ、赤組と白組に分かれ、若しくはクラス対抗などの名目で、競い合うことになります。そして、学期末にはテストがあ…

No. 200  第3章: 記号系

1.記号の定義 記号とは何かと言うと、それは重大な哲学上の問題であり、例えばパースは記号を66種類のクラスに分類したそうです。ここではそこまで厳密に考える必要はないので、簡単に、次のように定義しておきましょう。 記号の定義・・・記号とは、音、…

No. 199 第2章: 文化を育んだ歴史的な背景

私たち人類と、人類が育んできた文化には、とても長い歴史があります。そのため、文化を育む基本的な原理があるとすれば、それはとても強固なものであることになります。他方、私たちの目に止まる文化の表層は、急速に変化している。従って、何が不変の原理…

No. 198 第1章: 文化が誕生するプロセス

まず、ある架空の事例を提示させていただきます。場所は日本で、時期は大昔という設定です。 ある日、山奥に住んでいる少年が、川沿いの小道を歩いていた。すると、バシャという水音が聞こえる。音に気付いた少年は、何だろうと訝しく思う。魚が跳ねたのかも…

No. 197 文化領域論 目次

2018年6月 はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ No. 196 目 次 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ No. 197 第1章: 文化が誕生するプロセス ・・・・・・・・・・・・・・・・・ No. 198 1.記…

No. 196 文化領域論 はじめに

記号学のパース(Charles Sanders Pierce, 1839 - 1914)は、仮説と発見の論理としてのアブダクションについて、次のように説明している。 まず、驚くべき事実が観察される。 しかし、もしある仮説が真実だったとしたら、かかる事実は当然の事柄である。 よ…