文化認識論

(世界を記述する。Since July 2016)

遊びとは何か

No. 110 遊びとは何か(その10)/ネットが育む現代の遊び

夢に破れ、孤独に向き合っていた近代の人たち。しかし、そんな時期でも、庶民とその子供たちは遊ぶことを止めなかった。野球盤ゲームだとか、ルービックキューブだとか、子供たちは少しでも楽しそうなものを探していたんだろうと思うのです。大人たちも、芸…

No. 109 遊びとは何か(その9)/近代の遊び

第二次世界大戦に敗れた日本では、大変な混乱が生じた。何しろ、広島と長崎に原爆が投下され、東京も焼野原になった。日本にやってきた米兵の行いも酷かったようです。「占領軍であった米兵の強姦、強盗、窃盗、略奪は、米軍上陸直後から多発した」そうです…

No. 108 遊びとは何か(その8)/戦時中の遊び

江戸時代からスゴロク、カルタなどはありましたが、明治になるとトランプやビリヤードが普及したようです。神戸市の統計によると、大正5年(1916)の市内の遊技場は、次の構成となっていたそうです。(出典:日本遊戯思想史、以下「文献1」) 空気銃射的場・…

No. 107 遊びとは何か(その7)/戦い始めた中世の遊び

厳密には、大型動物を追いかけて日々移動していた時代と、農耕を始めて定住し始めた時代の間に、中間的な生活形態があったようです。生活の糧は相変わらず狩猟、採集にありましたが、簡単な住居を構えてキャンプのような生活をし、必要に応じて移動する、と…

No. 106 遊びとは何か(その6)/遊びの起源は古代にあり

いくつか視点を変えながら、“遊び”について考えてきましたが、やっとその輪郭が見えてきたように感じています。 結局、遊びの起源というのは、古代にある。我々ホモサピエンスの歴史を概観しますと、20万年前にアフリカで始まり、農耕と牧畜が開始されたのが…

No. 105 遊びとは何か(その5)/ 狩猟採集民の遊び

No. 102の記事で、遊びの種類について述べましたが、どうも種類が多く、まだ、本質が見えて来ないように感じます。ビー玉を例に取って考えますと、その構成要素は3つある。第一にビー玉という遊具、第二に地面の穴なり枠組みなどの場所。第三に、ルールとい…

No. 104 遊びとは何か(その4)/ それでもジャズは死なない

前回の原稿で、マイルス・デイビスが死去してから、ジャズは急速に衰退していったということを述べましたが、では、ジャズがその後どうなったのか、考えてみたいと思います。 統計上のデータがある訳ではありませんが、例えばCDの売上枚数、ジャズをやってい…

No. 103 遊びとは何か(その3)/打ち捨てられたもの

今朝、少し遅い時間に目覚め、そして、突然ひらめいたのです。遊びとは、打ち捨てられたものから始まるのではないか。 例えば、こんな話があります。アメリカの黒人は、かつてブルースという音楽を発明しました。それが発展して、やがてロック・ミュージック…

No. 102 遊びとは何か(その2)/遊びの種類

どうもビー玉のことが気になって仕方がありません。ネットで調べてみると、そもそもガラス玉というのはエジプトや中東の遺跡からも発掘されている。また、ポルトガル語でガラスのことをビードロと言うようで、これが変化してビー玉という呼び名が発生したと…

No. 101 遊びとは何か(その1)/ビー玉

このブログは文化が生まれるプロセスを考える所から出発しました。No. 1からNo. 24におきましては、言葉から始まり、物語、呪術、シャーマニズムなどを積み上げ、やがて宗教に至るという歴史主義的な検討を行いました。そして、そのプロセスにおいて、文学、…