自然科学の急激な進展によって、宇宙や人類について、今日ではいろいろなことが分かってきたようです。
かつて、音も光も、空間や時間さえも存在しない、ある状況がありました。ただ、ある一点に膨大なエネルギーが集中していた。そして、大爆発が起こる。それが138億年前に発生したビッグバンです。この大爆発によって、宇宙が生まれたと言われています。46億年前に生まれた地球上で最初にDNAを持つ簡単な生物が誕生したのは、38億年前だと言われています。（文献1）全ての生命は、このたった1つの生命体から進化した、という説もあります。
恐竜が闊歩していた時代、人類の祖先はリスのような、ネズミのような姿をした小動物でした。そして、700万年前、私たちの祖先はチンパンジーとの共通祖先から分かれ、初期猿人が誕生します。以後、猿人、原人、旧人、そして新人へと進化していきます。（文献2）この新人というのが、私たちホモ・サピエンスなのです。私たちの祖先である原人や旧人は、残念ながら全て自然淘汰によって滅び、又は、我々ホモ・サピエンスによって駆逐されてしまったようです。
遺伝子調査によって、最初のホモ・サピエンスは約20万年前にアフリカで誕生したことが分かっています。環境の変化もあり、7万年～6万年前、我々の祖先はアフリカ大陸から出発し、地球上のあらゆる地域へと拡散していきます。
上記の通り、この世界や人間について多くの事項が判明した“今”だからこそ、私たちの身近にある文化や、私たち人間について、考えてみたいと思うのです。
（参考文献）
文献1： 私たちはどこから来て、どこへ行くのか／森達也／筑摩書房／2015年
文献2： 面白くて眠れなくなる人類進化／左巻健男／PHPエディターズ・グループ／2016年
