文化認識論

(世界を記述する。Since July 2016)

No. 142 文化の構造図(Version 2)

 

前回までのシリーズで、重要なことが分かったように思います。各国は、それぞれ発展途上にある。“行きつ戻りつ”を繰り返しながらも、長い目で見れば、人間社会は集団を大きくする方向に向かっていて、その最終形は地球規模で共存を目指すルールであるはずだ。未完ではあるものの、国連憲章などは、その試みであろう。従って、多様性を許容するのが、より進化した文化の特徴である。

また、文化は特定の方向に向かって、進化を続けている。一度生まれた文化は、ある程度の規模を持つと、消え去ることがない。だから、より進化した文化というものは、過去の蓄積を含め、多くの選択肢を持つ。この点、難しいことを言っている訳ではありません。例えば、スーパーマーケットに行ってみる。日本のスーパーには、無数の食品が置いてありますね。例えば、味噌がある。醤油がある。これは、過去の歴史の産物です。そして、最新の食品まである。例えば、ビールなどもその種類は豊富で、糖質、プリン体ゼロのものまである。これは、例えば江戸時代の食生活と比べてみれば、各段にその選択肢が増えていると言えます。より進化した文化においては、人々は多くの選択肢の中からチョイスすることができるので、文化というのは必然的に、より良い方向に進化する。(いずれ、人類は核兵器の廃絶に成功するのではないか。)

ところで、このブログを40日程休む前に、私はこう述べました。シャーマニズム以降が分からない、と。しかし、今は、その答えが見つかったような気がします。かつて掲載しました文化の構造図をバージョンアップさせ、以下に記します。

<文化の構造図(Version 2)>
1. 遊び
2. 言葉
3. アニミズム
4. 物語・・・文学
5. 呪術・・・美術
6. 祭祀・・・音楽、踊り、ファッション
7. シャーマニズム
8. 文字
9. 宗教
10. 宗教国家(封建制、王権制、君主制民族主義
11. 哲学・・・科学
12. 法治国家立憲主義、民主主義)
13. 世界統一ルール

人類は、5千年程前に文字を発明しました。そこで、扱える情報量が拡大すると共に、情報の伝達、記録という機能も各段に増加したのです。そこで、聖書や法典を作ることが可能となり、宗教が生まれた。宗教は、武力と結合して、集団を統治するようになった。そして、このブログでは宗教国家と呼んでいる封建制君主制の国家が生まれる。やがて、宗教に対して異議を唱える哲学者が出てくる。実証主義のような考え方が生まれ、哲学から科学が派生する。また、哲学から法律という概念も抽出される。やがて、アメリカの独立戦争フランス革命などを経て、法治主義立憲主義、民主主義などの概念が確立されていく。2回の世界大戦を経て、人類は国際連合を作り出す。しかし、その機能は現在も限定的で、世界統一ルールの策定に向け、人類は進化の途上にある。

今は、そんな風に思っています。大分、範囲が広くなりましたが、“文化”というものを考えて来た結果、宗教の段階で終わりにする訳にはいかなかったのです。また、このブログに掲載致しました全ての原稿は、上図のいずれかの場所に関係しているはずです。

なお、一神教イデオロギーのように考えを固定するつもりはありません。Version 3なるものが、将来生まれるかも知れません。この点は、予めご了承ください。

このブログを途中からお読みいただいている方々もおられると思いますので、いずれ、上図を簡単に説明するシリーズを立ち上げたいと思っています。但し、今は衆院選の前ということもありますので、次回からは“対米従属と憲法9条”というシリーズを開始したいと思っております。ご興味ある方、是非、宜しくお願い致します。