地上波のテレビで、放送大学というチャンネルがあるのはご存知でしょうか。
現在、シリーズもので20時45分から「文化人類学」の講座が放映されています。放送日は、曜日に関わらず毎日のようです。本日は第8回です。私は、なるべく見るようにしております。文化人類学にご興味のある方には、お勧めです。
また、同じく地上波でEテレというのがあります。これは多分、以前のNHKの教育テレビだったと思います。しばらく前に「100分で名著 レヴィ=ストロース 野生の思考」という番組が放映されていました。録画を再度眺めていたところ、面白い話がありました。
レヴィ=ストロースはかつて、哲学を専攻していたそうです。そして、大学の研究室で例えば「アプリオリな認識とは、どのように可能なのか」というようなことを考えていたそうですが、嫌になったそうです。そして、転機が訪れ、文化人類学に出会い、そこから彼の人生は開けてきた。彼の著書「悲しき熱帯」にそういう記述があるそうです。
この「アプリオリな認識」というのは、経験に基づかない純粋な認識という意味で、これは純粋理性批判の中でカントが主張していることだと思われます。しかし私たちには、経験から離れて何かを思考するということが本当に可能なのでしょうか。これは正に哲学的な命題である訳ですが、そういう観念的なことを考え続けることに意味があるのでしょうか。何だか、カントの純粋理性という考え方は、私の文化論にはあまり関係がないような気がしてきました。
それよりも、私にとってはイワム族の話の方が余程、面白い。イワム族の話、まだ読んでいない本が1冊あるのです。