文化認識論

(世界を記述する。Since July 2016)

No. 182 2次性についての要約書

動物との関係: 食べる。人間が、動物を食料として認識する。

 

興味の対象: 物と自然

 

古代の文化種別: 狩猟。狩猟のための道具として、ヤリ、弓矢など。

 

文化の進展プロセス: 狩猟のための武器が発明され、更に動物の毛皮が衣服として利用される。そこから、人間と物や自然との関係が発展する。人間は、その衣食住の道具として、物を加工し、機能を付与することを学ぶ。但し、それと同時に人間は、物に願いを込める、すなわち呪術という文化を生む。例えば、木の実などに願いを込め、怪我や病気を治癒する薬としての効果を期待する。また、物に何かを象徴させるという文化を考案する。例えば、死者や神秘的な存在を物に象徴させ、その物を大切に扱ったりする。物に機能を付与するという文化は、やがて科学を生み、大量生産の手法などを開発し、現代に至る。貨幣の普及と大量生産が、経済活動の拡大に寄与する。人間と物との関係においては、前述の3つの類型が存在する。

 

1. 物に機能を付与する。
2. 物に願いを込める。(呪術)
3. 物に何かを象徴させる。

 

「物に機能を付与する」という文化は、物や自然に対し人間が上位に位置する関係にある。すなわち、このメンタリティは動物を殺して食べ、樹木を伐採して加工し、あたかも人間が自然を支配できるという幻想に立脚しているように思える。反対に、呪術や象徴にかかる文化は、物と人間との間に親和的な関係を築く。

 

現代における文化類型: 食文化。物質文化。旅行。ガーデニング。鉄道ファン。カメラ。プラモデル。楽器。宝石。陶芸。彫刻。美術。自動車。バイク。その他、物に関わる趣味。経済学。

 

性的な意味合い: この心理的な領域に、性的な意味合いは希薄である。また長年、男が狩猟に従事してきたという歴史的な事実からしても、この心理的な領域は、男性的である。

 

思考形態: 経験的、物理的、科学的な思考。

 

宗教との関係: この心理的な領域に、宗教的な意味合いは希薄である。但し、「物に何かを象徴させる」という観点からすれば、仏像、寺院、キリスト像、十字架などが存在する。

 

経験と情報: 狩猟に関する成功体験などは、集団の内外において、共有化され易い。また、物に関する文化というのは、時間的な制約を受けることなく、伝播する可能性を秘めている。例えば古代において、ある部族がヤリを発明したとする。そして、何年も経過した後、別の部族が打ち捨てられたヤリを発見する。その部族がヤリの使い方を理解すれば、ヤリという道具に関する文化が伝播することになる。

 

心理タイプ: 感覚

 

現代社会における人口比率: 3割程度ではないか。

 

現代政治における投票傾向: 社会的な事項に対する関心が低く、無投票となり易い。