文化認識論

(世界を記述する。Since July 2016)

コロナ疲れ

まったくもってだらしない話なのですが、私は、コロナに疲れてしまったようです。既に引退している私としては、特段の支障はないのですが、それでも外出時には気を使うし、近所の食堂なども営業時間やメニューを制限しています。最前線で戦っている医療従事者の方々のことを思えば、私ごときがボヤいている場合ではない。そうは思うのですが、どうにもやり切れない。その理由の1つには「現状を認識できない」ということがある。政府は一向に検査人数を増やさないし、検査人数についても公表しない。緊急事態宣言は延長されましたが、その理由も明らかにされないし、出口戦略も示されていない。

 

一体、何がどうなっているのだろう?

 

そこで、以下の動画をベースに仮説を立ててみることにしました。

 

IWJ 上昌広氏 2020.02.16
https://www.youtube.com/watch?v=vcNdQf0vPV0

 

郷原信郎 日本の権力を斬る #12
https://www.youtube.com/watch?v=oiudxr0V-ak

 

まず、日本政府は、オリンピックと習近平氏の来日を原因として、初動において遅れた。ところが、感染者が急増し、オリンピックの開催を1年延期せざるを得なかった。感染者は特に東京都において、急増した。そこで、小池知事は動かざるを得なくなった。

 

政府の諮問機関として、専門家会議なるものが設置されたが、そこには既得権に固執する厚労省や感染研など、様々な組織の利害関係が複雑に絡み合っていた。結果として、PCR検査を徹底するというのがグローバルスタンダードであるにも関わらず、日本はクラスター対策という一昔前の戦略を採用した。

 

何しろ、検査をしないのだから、感染者数は分からない。加えて、PCR検査は同一人に対して複数回実施されるので、検査の実施回数と検査対象人数は異なる。明確な基準を定めていなかった厚労省は、遂に、検査実施人数を把握できないという事態に陥った。この点は立憲民主党、石垣のりこ氏のYouTube動画において、詳しく報告されている。

 

これは困った。日本の対応は、世界の笑い者になってしまった。しかし、PCR検査に依らなくても、概ねの傾向を知る方法はある。それが「超過死亡者数」という指標だ。特段の感染症などが生じていない場合、概ね、何月に何人位死ぬのかということは、統計上のデータがある。従って、その統計上のデータと今年の死亡者数を比較すれば、新型コロナで何人位死んでいるのか、推定することができる。この点は、上記の動画で上医師が説明している。そして、超過死亡者数を見た場合、日本のピークは3月であって、4月には既にピークアウトしていた可能性が指摘されている。だとすれば、日本政府の緊急事態宣言は、3月に発出されるべきだったのであって、4月では1か月遅れたことになる。

 

もう一つ重要な指摘がある。それは死亡率だが、上医師によれば、大西洋沿岸地域における死亡率は高く、太平洋沿岸地域(日本を含む)においては、さほど高くないということ。

 

概ね以上のように考えれば、奇々怪々の現状に説明がつくのではないか。ポイントをまとめてみましょう。

 

・抗体検査の結果も踏まえて考えれば、感染者数は人口の5%程度に達している可能性がある。すなわち、これは政府や東京都が発表している数値よりも格段に大きい。政府や東京都は、この事実を隠蔽したがっている。従って、PCR検査の拡充には消極的なのだ。

 

・死亡者数も政府や東京都が発表している数値よりは、各段に大きい。例年、肺炎で死亡する者の数は10万とも20万とも言われている。そして、現在の日本においては、生前にPCR検査を受けて陽性と判断された者が死亡した場合にのみ、コロナによる死亡者としてカウントされてきた。その他の死亡者は、肺炎として処理されている可能性がある。但し、コロナによる死亡者数は、前述の「超過死亡者数」によって推計することが可能である。

 

・但し、日本を含む太平洋沿岸地域におけるコロナによる死亡率は、欧米(大西洋沿岸地域)のように高くはない。

 

なお、感染のメカニズムに関する政府の説明などにも疑問がある。政府は3蜜(密集、密接、密閉)を避けろと仕切りに言っているが、これはヒト→ヒト感染に対する対策である。これは屋外では発生しないし、お互いにマスクをしていれば相当防止できる。危険性が高いのは、むしろヒト→モノ→ヒト感染の方だ。ドアノブやエレベーターの押しボタンなどの危険性が高い。しかし、これは石鹸を使って手を洗うことによって、防止できる。

 

また、空気感染のリスクが高いのはトイレだという指摘もある。病院や役所など、不特定多数の人が利用するトイレは、極力、使用しない方が良い。

 

上記のように考えれば、概ね、現状がどうなっているのか、説明がつくのではないか。また、私たち個々人が何をどう判断して行動すればリスク回避につながるのか、それも概ね判断できるのではないでしょうか。

 

なお、出口戦略についてですが、その前提は医療崩壊のリスクをミニマイズすることが前提であるべきだと思います。現在、私たちの社会は、医療や介護に従事されている方々のご努力によって成り立っているのですから。

 

ところで、戦時中には大半の文化活動が停止する、という話がある。なんとなく、分かるような気がします。コロナ禍と戦っている現在の私たちも、同じようなメンタリティに陥っているのではないでしょうか。しかし、それは間違いであって、こういう時代だからこそ、文化的な活動の灯を消してはならないのだと思います。