統一教会の問題に戻ろう。
1954年: 世界基督教統一神霊協会(統一教会設立)。
1959年: 統一教会、日本での活動開始。
1962年: 文鮮明は渡米し、CIAのキャロル陸軍中将らと面会する。
1988-1991年: ソビエト連邦崩壊
1991年: 文鮮明は北朝鮮の金日成と面会し、4400億円もの経済支援を約束し、ビジネス上の利権を獲得する。
1997年: 韓国において、名称を「世界平和統一家庭連合」に変更。
2015年: 日本においても、文科省が名称変更を認める。
上記の略歴は、統一教会の歴史のほんの一部である。Wikipediaに詳細を記したサイトがある。ただ、上の記述を見ただけでも、統一教会の活動の幅の広さを認識することができる。時間的に言えば、それは68年の歴史を持つのであって、地理的に言えば、韓国、北朝鮮、日本、米国などを舞台に活動していることが分かる。そして活動内容は、宗教、政治、経済の3分野に及ぶ。これは単なる宗教団体の域を遥かに凌駕しているのであって、コングロマリットと呼ぶのが相応しい。
統一教会の日本進出がどのように行われたのか、その経緯は未だ、闇に包まれている。CIAの関与が取り沙汰されているが、私はこの説を肯定的に見ている。そして、国際勝共連合の活動は、米国、統一教会、日本の右翼、そして自民党を結ぶ結節点であったのだろうと思う。統一教会の歴史とは、自民党の歴史と相当な部分において、重複している。
次に、統一教会と米国の関係である。上に記したCIAの他に、共和党との関係も気になる。安倍晋三がビデオレターを送った宇宙平和連合(UPF)の大会には、トランプ前大統領も同様にビデオレターを送っている。共和党の熱心な支持者の中にはキリスト教右派と呼ばれる人々が多い。彼らの主張が認められて、米国においては人口妊娠中絶が禁止された。このような主張は、統一教会の家庭観と重複しないだろうか。また、トランプが大統領選に敗れた直後、一部の共和党支持者によるデモ隊が米国の議会に突入するという事件が起きた。その際、文鮮明の7番目の子供(男)も、そのデモに参加している。彼は、サンクチュアリ教会というカルト集団の教祖でもある。このような事実は、線として繋がらないだろうか。つまり、統一教会は米国の共和党と繋がっている可能性があるのだ。
統一教会は自民党に巣くう寄生虫のようだ、という意見がある。そうかも知れない。しかし、この意見の前提は、あくまでも日本国の与党としての強大な自民党という存在があって、そこに巣くう弱小の寄生虫という構図を前提としている。この見方に対し、私は、疑義を持っている。本当は、自民党よりも統一教会の方が強いのではないか。例えば、統一教会が共和党に圧力を掛ける。共和党が自民党に圧力を掛ける。そうすれば、自民党としてはグーの音も出ないに違いない。
反日カルトとしての統一教会を日本から追い出すための方法としては、次の3種類の方策が考えられる。
・解散命令を下す。
・宗教団体としての法人格を剥奪する。
・反カルト法を制定する。
しかし、いずれの方策に対しても自民党は及び腰である。自民党は闇の多い統一教会の権力の前で、怯えているのではないか。そう考えた方が、自然である。
では、私たち一般の国民はどうすれば良いのか。統一教会の闇を暴くか。それは困難である。もっと簡単な方法は、自民党を与党の座から引き摺り下ろすことだ。簡単な見方としては、日本国民の政治的志向は、次の通りである。
与党支持・・・30%
野党支持・・・20%
無関心 ・・・50%
そうしてみると、日本国民の10%が支持政党を変更すれば、与野党がひっくり返ることになる。もちろん、野党の側にも問題はある。と言うか、問題だらけだとは思う。しかし、これは統一教会の闇を暴くという難題に比べれば、余程、ハードルは低いに違いない。
権力は、必ず腐敗する。自民党は、権力を永く持ち過ぎたので、とっくの昔から、腐敗してしまったのである。自民党は、賞味期限も消費期限もとうの昔に過ぎてしまっている。
グローバリズムを志向するカルト集団から日本を守ることができるか、私たちは今、その岐路に立たされている。