文化認識論

(世界を記述する。Since July 2016)

文化防衛論/三島由紀夫 (その1) はじめに

 

先の8月9日に開催された長崎市の原爆犠牲者慰霊平和祈念式典において、長崎市長イスラエルを招待しなかった。すると日本を除くG7各国の駐日大使らからクレームがつき、彼らはこの記念式典を欠席した。やはり、ユダヤの支配力は大きい。特に米国をはじめとする西側先進諸国を支配しているのは、ユダヤ系の、無国籍の、巨大な金融資本だと思う。従って西側先進諸国は、どこも同じような政治上の課題を抱えることになる。1つには、過大な軍事費負担。NATO諸国は、ウクライナに対する軍事支援に疲れ始めている。加えて米国は、イスラエルに対する軍事支援まで行っている。2つ目としては、人口問題を挙げることができる。人口問題は、更に2つの側面を持っているのであって、その1つは人口減少問題である。そして、それに比例するように移民が増加するという問題がある。

 

移民の問題は、欧米諸国を悩ませてきたが、日本もいよいよ他人事ではなくなってきた。埼玉県川口市におけるクルド人の問題に加え、最近ではイスラム教徒も増加している。日本国内には、既に110のモスクが存在するというデータまである。

 

どうやらユダヤ系金融資本に象徴されるグローバリストは、国家という枠組みすら破壊しようとしているのだ。米国も例外ではない。移民が急増した米国においては、治安が悪化し、略奪が横行し、ホームレスやドラッグ中毒者も増えている。YouTubeで米国の惨状を見るにつけ、他国のことながら心配になってしまう。トランプが登場したのには、このような背景があるに違いない。しかし、現在の米国の状況は、10年後の日本の姿なのではないか。

 

このような急激に進展するグローバリズムの影響下にあって、私たち日本人は、一体、誰とどのように戦えば良いのだろう? 若しくは、私たちは何を守れば良いのだろう? そこで私は、先人の知恵を紐解いてみることにした。テキストは、三島由紀夫の「文化防衛論」(以下「本文献」という)である。

 

文化防衛論/三島由紀夫ちくま文庫/2006

 



 

本文献は、1967年から1969年の間に書かれた政治論文、対談、ティーチ・イン(学内討論集会)など、比較的短い文章を多数収めている。三島自身があとがきを記しているところから、三島本人が厳選したものを収録したものだと思われる。また、三島が自決したのは1970年なので、その直前の活動記録だと言えよう。

 

三島は、自らが何故、あのような死に方を選ばざるを得なかったのか、後世の人々に理解して欲しいと切実に願っていた。そして、その説明を試みたのが、本文献だと思う。本文献には、人を煙に巻くようなレトリックは存在しない。真摯に、直球で勝負しようとする三島の姿が照射されている。三島が日本人に伝えたかった最後のメッセージが、ここにある。