文化認識論

(世界を記述する。Since July 2016)

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ソクラテスの魂(その8) 思想を持つということ

ソクラテスが登場する以前から、自然哲学と呼ばれる思想の試みがなされていたのであって、これはその後の自然科学へとつながったに違いない。ソクラテスもそれを学ぶが、やがて、決別する。つまり、哲学と自然科学の緊張関係は、その起源から始まっていたこ…

ソクラテスの魂(その7) 魂と知

まず、前回の原稿における私のミステイクについて、訂正すると共にお詫び申し上げなくてはならない。前回の原稿で私は、「ソクラテスの弁明」について、1回目の採決の後で、2回目の採決の直前に弁明がなされたのではないかと述べたが、これはとんでもない誤…

ソクラテスの魂(その6) 死に至る経緯

そもそも哲学の起源は、どうなっているのだろう。そう思って入門書を調べてみると、最初の哲学者は古代ギリシャのタレス(前624頃~546頃)だと記されている。タレスは「万物の大元(アルケー)は水である」と主張したという。その後、空気だとか火などがア…