文化認識論

(世界を記述する。Since July 2016)

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

自民党の憲法改正案

ここの所、ブログの更新が滞っております。日常生活における些事に翻弄されているのがその主因ではありますが、少し考えをまとめるのに時間を要しているのも事実です。憲法とは、やはり複雑なものだと改めて感じております。 そこで、今回は比較的簡単なトピ…

No. 252 憲法の声(その19) 宗教と憲法

ホッブズは、人間の能力には大差がないから、人は皆平等だと考えました。しかし、そうでしょうか。本当は、能力に差があったとしても、人は平等なのではないか。 最近問題となっている人権侵害の事例というのは、その根源に“平等”という意識の欠如があるので…

No. 251 憲法の声(その18) 神なき時代の平等主義

“憲法の声”と称して連載しております本稿ですが、ちょっと困ったことになりました。例えば推理小説であれば、真犯人は最後に分かる。これが途中で分かってしまうと、読者の興味は消失します。本稿にも同じような事情があって、日本国憲法に込められた理念や…

No. 250 憲法の声(その17) 憲法原理の出発点

憲法の教科書を読みますと、日本国憲法には次の3大原理があると記されています。 1. 基本的人権の尊重2. 国民主権3. 平和主義 また、自由、平等、平和の3要素を挙げる例も見かけます。民主主義は国民主権と同義だとしても、立憲主義には人権保障と権力…

No. 249 憲法の声(その16) ロックの観念論

ジョン・ロックは、私たちが日常的に見たり認識したりしている物、すなわち経験的対象のことを観念であると定義づけました。そして、この経験的対象を分解していくと微小な粒子やその集合体から成り立つ“物そのもの”が存在すると考えたのです。 心 - 観念/…

No. 248 憲法の声(その15) ロックの経験論

ブログの更新、諸般の事情により、大分間が空いてしまいました。申し訳ありません。 さて、少し論点を整理しましょう。ルターとカルヴァンは、概ね、宗教論に終始していました。しかし、ホッブズから突然、複雑になる。これには、次のような事情があったよう…