文化認識論

(世界を記述する。Since July 2016)

芸術論

救済としての芸術(その8) エピローグ

森友学園事件。時の総理大臣を守るために、財務省は公文書を改ざんすることにした。改ざん作業を命じられた赤木俊夫さんは、良心の呵責に苛まれ、精神のバランスを崩し、自殺した。夫の死の真相を知りたいと願った妻、赤木雅子さんは国を相手取って、1億700…

救済としての芸術(その7) 個人の時代

「真善美」というのは、ソクラテスが言った言葉らしい。この言葉を少し、私なりに解釈してみたい。 「真」とか真理というのは、「全ての人々が幸福になる方法」のことだ、と私は考えている。そうしてみると、これは人間社会の秩序に関わることだと言える。次…

救済としての芸術(その6) 芸術の力

人は、その人生を文化領域の中から始める。家族がいて、生活がある。そこに留まる人生もある。専業主婦や、1次産業従事者、職人の方々は、文化領域の中で暮らしている。例えば、私の知っているある寿司屋の大将は、小さな漁師町で生まれた。高校を卒業すると…

救済としての芸術(その5) 消え去る「知」

秩序の構造について、もう一度、整理してみよう。 まず、文字が生まれた。文字が「知」を作り出す。「知」とは、文明に影響を及ぼす何らかの思想や理念、若しくは知恵のことだ。「知」は、それを知っている者と知らない者との間に差異を作り出す。知っている…

救済としての芸術(その4) エクリチュールを巡る闘争

最も古い文学は、無文字社会において口頭で伝承された民話や童話だろう。そこには動物たちに対する愛情や、素朴な人々の暮らしが描かれている。そこに権力の匂いは存在しない。何故かと思う訳だが、無文字社会においては、権力そのものが存在していなかった…

救済としての芸術(その3) 哲学はいつから科学になったのか

哲学と科学との間には、その起源から緊張関係が存在していた。最初の哲学者と言っても良いであろうソクラテスは、当時の自然学と決別し、独自の思想を構築したのである。しかし、多くの哲学者は、目覚ましい発展を遂げる数学や自然科学を横眼に見ながら、ど…

救済としての芸術(その2) 文化、秩序、そして主体

現代文明を根底から支えているのは、文化である。それはとても永い歴史を持っていて、私たちの暮らしと密接な関係を持っている。文化は、融和的であり、女性的で、そこにおけるコミュニケーションは、パロール(音声言語)に依拠している。 文化は、主に小集…

救済としての芸術(その1) はじめに

今日の日本の状況について、皆様はどうお感じになっているだろうか。上級国民と呼ばれる一部の政治家は、法を犯しても罰せられない。新自由主義とか緊縮財政と呼ばれる勢力が政治や経済を牛耳っており、日本の国民は酷く貧しくなった。それでも半分近くの国…