文化認識論

(世界を記述する。Since July 2016)

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

憲法の歴史についての仮説

昨日の毎日新聞に、興味深い記事がありました。何やら、ドイツのメルケル首相が本を出したらしい。その本を紹介する記事の中に、次の一文がありました。 「ルター派には、宗教の領域と国家統治の領域を区分し、キリスト教徒は国家秩序に従うべきであるとする…

世界の歴史についての所感

"憲法大好き人間"になってしまった私が、憲法の基本理念である立憲主義や民主主義の起源に興味を持ったのは、自然の成り行きだったのです。一体、どこの誰が、何故、このように素晴らしい思想を発明したのか。また、市民はどのようにして、絶対的な権力を持…

沖縄について思う

12月14日、沖縄の辺野古に土砂が投入されました。ショッキングなニュースで、憤りを感じると共に、悲しく感じたのは、私だけではなかったものと思います。そこで今回は、少し沖縄について考えてみることにしました。まずは、歴史から。 かつて、沖縄本島とそ…

No. 233 憲法パトリオティズム

今更ながら、私は、ほとほと人間が嫌になってしまったのです。競争系のメンタリティを持った序列主義者たち。彼らは、自らの序列を上げるために、格上の者のご機嫌ばかりを伺う。ヒラメ、太鼓持ち、茶坊主、風見鶏。こういった人たちを揶揄する言葉は、枚挙…

パリの反乱者たち

昨日の未明、入管法の改正案が参院で可決されてしまいました。私は、この法案に反対でした。主な理由は、次の3点です。 第1に、外国人労働者が増えれば、日本人労働者の賃金が低下する。政府は、そんなことはないと言っているようですが、需要と供給の関係…

No. 232 集団スケールと憲法

前回の原稿で、「私がここまで勉強した範囲では、平和主義にはあまり長い歴史がなく、第2次世界大戦後に出てきた考えた方ではないか」という趣旨のことを書いてしまいましたが、正確なことが分かりましたので、訂正させていただきます。文献1に、「早くは17…

No. 231 憲法の構成要素(その2)

立憲主義の歴史的な変遷について、文献1は次のように説明しています。 1.絶対王政・・・立憲主義が存在しない状態。 2.制限君主制(=立憲君主制)・・・国王が参加する議会が、立法権を持つ。 3.二元型議員内閣制(18世紀末頃の欧州)・・・国王と議…