文化認識論

(世界を記述する。Since July 2016)

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

戦争と文明(その18) 人はなぜ戦争をするのか

今年の6月から始めたこのシリーズ原稿も、そろそろ結論を述べるべき段階に来た。そして、このシリーズ原稿における設問は、次の2点に集約される。 設問1: 人はなぜ戦争をするのか? 設問2: 人間を戦争というくびきから解き放つことはできるのか? 本稿で…

戦争と文明(その17) 「知性」とは何か

このシリーズ原稿の中で、私は「知性」という用語を使った。そうであるからには、「知性」とは何か、私にはそれを説明する責任があるように思う。 私が述べようとしている「知性」とは、例えば知能指数とか、そういうことではない。人間の能力とは、誠に多岐…

戦争と文明(その16) 「国家」について

どの本に書いてあったのかは忘れてしまったが、こんな話がある。何年か前にある人が、何ヵ国かを対象としたアンケート調査を行った。設問は、次の通りである。 人類にとって、最も重要な哲学書は何か? 結果として、堂々の第1位に輝いたのは、何とプラトンの…

戦争と文明(その15) 「正義」について

リベラルと言えば、それは自由主義思想を指していると思っていたが、必ずしもそうではないらしい。法哲学の井上達夫氏は、次のように述べている。 - 私は、「リベラルの基本的な価値は自由ではなく正義だ」という趣旨の基調論文を書きました。それが私のリ…

戦争と文明(その14) 「知性」について

今に始まったことではないが、世の中、右を見ても左を見ても、反知性主義で満ち溢れている。戦後、GHQが採用した日本人に対する3Sと呼ばれる愚民化政策が功を奏しているのだろう。そればかりではない。統一教会は、米国のCIAが日本に投下した毒饅頭ではない…

戦争と文明(その13) 日本が抱える戦争リスク

日本はどのような戦争リスクを抱えているのだろう。 ロシアがウクライナに侵略した直後、ロシアは北方領土で3千人規模の軍事演習を行った。そのことから、ロシアが北海道に攻めて来るのではないかという論議があった。しかし、ロシアは既にウクライナ戦争で…