文化認識論

(世界を記述する。Since July 2016)

文化認識論

文化認識論(その28) 発想する力

過去の学者たちは、古代人や無文字社会の人々と現代人とでは、思考方法が異なると考えてきました。浅学の私もそう思ってきたのですが、本当にそうでしょうか。例えば、フランスの哲学者であるレヴィ=ブリュル(1857-1939)は、未開の人々の心性について「…

文化認識論(その27) 理性と狂気

「認識の6段階」と称して、私が提示した概念モデルについて、それなりに私は自信を持っています。例えば、宗教というのは4番の概念までは行くけれども、その後の原理と論理が欠けている。そういうことが分かる。但し、ここに示した論理に至る認識方法には、…

文化認識論(その26) 論理的思考の限界

本日、近所のドラッグストアへ行きましたら、トイレットペーパー等、平時の3分の1程度ではありますが、在庫があり、販売されていました。皆様、冷静に行動しましょう。 さて、「認識の6段階」など、人間の認識方法、認識能力ということを考えますと、その最…

文化認識論(その25) 認識能力の限界

今回は、以下の記事の続きを書いてみたいと思います。 記号から論理へ(その20)https://www.bunkaninsiki.com/entry/2020/02/02/183224 前回同様、次の6項目を用いて考えることにします。便宜上、これを「認識の6段階」と名付けることにしましょう。 1. …

文化認識論(その24) 認識論とは何か

どうやら、このブログのバージョンアップに成功したようです。次の独自ドメインを取得できました。 www.bunkaninsiki.com 悪くない。一人、ほくそ笑んでいた訳ですが、見た目は何も変わらない。自分で設定しないと、何も変わらないのです。そこで、古いデジ…

文化認識論(その23) 認識方法と社会システムの変遷

結局、人間の歴史というのは、次のようになっている。・・・と、私は思います。 古代 ・・・ 芸術 ・・・ シャーマニズム中世 ・・・ 宗教 ・・・ 君主制近代 ・・・ 理性 ・・・ 民主主義現代 ・・・ 記号 ・・・ グローバル資本主義 狩猟・採集を行ってい…

文化認識論(その22) 私たちに許された自由

コロナウイルスが引き起こしている新型肺炎についてですが、これは行き過ぎたグローバリズムに対する警告として、受け止めるべきではないでしょうか。あまりに多くの人々が国境を超えて移動するから、ウイルスが世界中に拡散する。そのうち収まるだろうと言…

文化認識論(その21) 5つの文化領域に対する歴史的考察

私がいつも野良猫用の餌を購入しているコンビニですが、閉店するという噂を聞きました。ここがなくなると、困るのです。困るのは私だけではない。野良猫の“花ちゃん”だって、影響を受ける。そこのオーナーさんとは今までも猫談義をする間柄だったので、単刀…

文化認識論(その20) 記号から論理へ

最近、このブログの更新が滞っているにも関わらず、アクセス件数が増えています。不思議に思って、「アクセス先ページ」というところをクリックしてみますと、以下の2つの記事にアクセスが集中していることが分かりました。どちらもグーグルなどの検索エン…

文化認識論(その19) 構造主義、ポスト構造主義、ポストモダン(その3)

ポスト構造主義は、1966年にデリダがアメリカにおける講演で、レヴィ=ストロースを批判した所から始まりました。そして、1979年にフランスの哲学者であるリオタールが、「ポストモダンの条件」という本を出版します。その中でリオタールは、次のように述べ…

文化認識論(その18) 構造主義、ポスト構造主義、ポストモダン(その2)

少し話は前後しますが、サルトルの実存主義についても、少し述べておきましょう。第二次世界大戦中、フランスはナチスドイツに占領されていました。戦後、フランスはパリの開放に酔いしれたそうです。しかし、ナチスドイツの悪行の数々や、広島と長崎に投下…

文化認識論(その17) 構造主義、ポスト構造主義、ポストモダン(その1)

ご案内の通り、このブログでは様々な文化について述べてきたわけですが、「文化学」という学問は存在しない。このことは、ある側面で言えば、私にイクスキューズを与えて来た。すなわち、仮に私が間違ったことを述べたとしても、それを批判する理論も学者も…

文化認識論(その16) 積み残したいくつかの論点

起承転結を意識して、それなりの分量で記述したいと思うことと、そこまではいかない小さな論点というものがあるようです。しかし、この小さな論点の中にも重要な問題が含まれている場合があるように思います。今回は、現時点で積み残しとなっているいくつか…

文化認識論(その15) 私たちに残された時間

結論から言いますと、私たちに残された時間は、あと18年です。これは、私が主張していることではなくて、アメリカの政治学者であるイングルハートが「文化的進化論」(文献1)という本の中で述べているのです。文献1には「あと20年」と記されていますが、…

文化認識論(その14) オルテガと三島由紀夫

調べてみますとオルテガ(1883 - 1955)と三島由紀夫(1925 - 1970)が生きた時代は、30年程重複しています。そして、どちらも近代に身を置きながら、中世的な文化に注目し、来るべき現代を見据えていた。その点に注目するならば、この二人には共通点がある…

文化認識論(その13) オルテガ/大衆の反逆

久しぶりに読みごたえのある本に出会いました。それはスペインの哲学者オルテガ(1883-1955)の著書、「大衆の反逆」です。(以下「本文献」と言います。詳細は末尾) 本文献の執筆は1930年なので、第一次世界大戦が終わり、第二次世界大戦が始まる前という…

文化認識論(その12) 心の中身

<認識方法の変遷>1. 真似る・・・観察、関係性、自然記号2. 融即律・・・想像力、関係性3. 介在原理・・・想像力、概念、関係性4. 物語的思考・・・想像力、概念、因果関係、話し言葉5. 論理的思考・・・観察、想像力、概念、因果関係、文字6.…

文化認識論(その11) 芸術的認識と記号分解

<認識方法の変遷>1. 真似る・・・観察、関係性、自然記号2. 融即律・・・想像力、関係性3. 介在原理・・・想像力、概念、関係性4. 物語的思考・・・想像力、概念、因果関係、話し言葉5. 論理的思考・・・観察、想像力、概念、因果関係、文字6.…

文化認識論(その10) “序列依存”という心の貧困

<認識方法の変遷>1. 真似る・・・観察、関係性、自然記号2. 融即律・・・想像力、関係性3. 介在原理・・・想像力、概念、関係性4. 物語的思考・・・想像力、概念、因果関係、話し言葉5. 論理的思考・・・観察、想像力、概念、因果関係、文字6.…

文化認識論(その9) 関係性と想像力

前回の原稿の末尾に掲載しました一覧を、以下に再掲致します。 1. 真似る・・・観察、関係性、自然記号2. 融即律・・・想像力、関係性3. 介在原理・・・想像力、概念、関係性4. 物語的思考・・・想像力、概念、因果関係、話し言葉5. 論理的思考・…

文化認識論(その8) 認識方法の変遷

思えば、文字を持たない文化なり信仰においては、どうすべきか、どうあるべきか、ということに関する主張、すなわち教義は存在しないのではないでしょうか。シャーマニズムやアフリカのヴードゥー、日本古来の神道や修験道も同じだと思います。教義というの…

文化認識論(その7) 介在原理と記号分解

かつて、アイヌの人々が行っていたであろう可能性が指摘されている呪術的仮装舞踊劇。これはアイヌのみならず、シャーマニズムの世界において、広く、実施されていたに違いないと思います。参考動画を以下に添付します。この動画の素性はよく分かりませんが…

文化認識論(その6) ムックリとJaw Harp

アイヌの伝統的な楽器にムックリというのがありますが、とても不思議な音がします。竹でできたリードのようなものがあって、それを口に当てて、先端を紐で引っ張る。すると、ビロンビロンという音がなる訳ですが、実はこの楽器、もっと奥が深いようです。以…

文化認識論(その5) シャーマニズムと介在原理

少し、整理をしましょう。 AとBという2項対立があって、そこに介在(者)Cが登場する。CによってAとBの対立関係は緩和され、フラットな関係となる。やがてCを通じて、AとBが調和し、融合する。 A×BA-C-BA= C=B まず私は、このようなパターンをアイヌの民…

文化認識論(その4) 信仰の対象とその変遷

アイヌの人々は、カムイは雲の上かどこかに住んでいると考えたようです。そして、本来、カムイは人間と同じような姿形をしていると思っていた。そしてカムイは、人間の世界にやって来る時には、動物に変身する。 例えば狩猟において、熊を殺す。するとアイヌ…

文化認識論(その3) 神のユーカラ

少し前の原稿で、知里幸惠さんのことに触れました。彼女は、言語学者の金田一京介氏に見出され、アイヌの神話を日本語に翻訳しました。その作業の完成直後、儚くも持病の心臓疾患により19才で夭逝した。しかし、彼女の努力は「アイヌ神謡集」に結実した。気…

文化認識論(その2) アイヌ文化を支えた2項対立

先の原稿に記しました“物語的思考”のパターンを記号式によって表現することができるのではないか、などと思ったりします。では、記号を定義してみましょう。 × ・・・ 対立関係を示す。- ・・・ 互いに認識し合うフラットな関係を示す。= ・・・ 統合され…

文化認識論(その1) アイヌ絵本 和人になった兄

このブログのタイトルは、文化の誕生、文化で遊ぶ、文化領域論と変遷して来ましたが、今日から、文化認識論に変更致します。 まず、以下にリンク先を貼付致しますYouTubeのアイヌ民話をご覧いただきたく、宜しくお願い致します。これは本ブログの9月14日の記…

文化認識論(はじめに)

今回より、新たなシリーズ原稿として「文化認識論」を始めることにしました。このブログでは、「文化とは何か」ということを考え続けて来た訳ですが、どうも人間は文化を動かす原動力のようなものを持っている。それは“知的な本能”とも呼べるようなもので、…