文化認識論

(世界を記述する。Since July 2016)

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

構造と自由(その7) 哲学の領域

上の図において指し示したように、哲学を形作る1つの極は「知」であり、もう一方の極は主体なのだと思う。奇しくもこの2つの極について、哲学の始祖であるソクラテスは意見を表明している。「知」について、ソクラテスは「不知の自覚」を持てと述べた。こ…

構造と自由(その6) 芸術と美

前回の原稿で、私は、芸術を再定義することが必要だと述べた。では、どのように再定義すべきなのか。今回は、そのことについて述べてみたい。 西洋と東洋とでは、異なる歴史的な背景を持っている。それは芸術についても言えるだろう。まず、簡単に西洋に対す…

構造と自由(その5) 芸術の使命

無文字社会においては、いや現代日本社会においても、その底流には原始宗教が息づいている。そして、原始宗教を構成する3大要素は、呪術、祭祀、神話である。やがて文字が普及し、これら3つの要素も発展を遂げ、今日的な意味での宗教が生まれたに違いない。…