文化認識論

(世界を記述する。Since July 2016)

山本太郎に初めて感じた違和感

5日に投開票のあった東京都知事選ですが、私が推していた山本太郎さんは、惨敗したのでした。これはもう、言い訳のできるレベルではない。ご案内のこととは思いますが、主要な結果だけ、以下に記します。

 

投票率: 55.00%

 

得票数と得票率

 

小池百合子・・・3,661,371 票 (59.7%)

宇都宮健児・・・  844,151票 (13.8%)

山本太郎 ・・・ 657,277票 (10.7%)

小野泰輔 ・・・ 612,530票 (10.0%)

 

出展: NHK選挙Web

https://www.nhk.or.jp/senkyo2/shutoken/16407/skh48032.html

 

私が個人的に設定していた目標値は、得票数で100万票を超えること、又は、2位になることでしたが、そのどちらも達成されることはなかったのです。そして、当日夜に開催された太郎さんの会見。太郎さんは開口一番「小池山は高かった」と笑いながら述べたのでした。もちろん、太郎さんが感じていたであろう内心の悔しさは分かります。それにしても、「それはないだろう」というのが私の率直な印象だったのです。会見の後半で、太郎さんは「この選挙で失ったものは何もない」と言いましたが、それも違うと思います。

 

太郎さんを応援した全ての人々は「勝てるかも知れない」という期待を胸に秘めていたに違いないのです。実際、選挙戦の後半でも太郎さんは「ワンチャンある」と言っていました。勝てる可能性がないことが分かっていれば、ほとんどの人々は太郎さんを応援しなかったのではないか。しかし、応援した。具体的には、ボランティアに身を投じたり、なけなしの懐から太郎さんに500円、千円を寄付したりした人もいたはずです。これらのボランティアさんが投じた時間と労力、そして1億2千万円を超えた寄付金。これらは、水疱と消えたのです。

 

勝つための戦略もなく、太郎さんは立候補したのではないでしょうか。太郎さんは事前に世論調査を行っていて、その際(5月22日~24日)の太郎さんに対する支持率は僅か5.82%だったそうです。それが分かっていながら、すなわち勝てる見込みがないにも関わらず、何故、立候補したのか。

 

太郎さんの支持者の中には、投票率が低すぎたと言う人もいるようですが、そんなことはないと思います。何しろコロナ禍の最中に、人が密集しているであろう投票所に足を運んだ人が過半数に及んだのですから。

 

また、テレビ討論会が開催されなかったという理由を挙げる人もいます。しかし、そんなことは、事前に想定されたはずです。何しろ、テレビ局というのは、ネットに押されて視聴率は低下の一途を辿っている。コロナの影響もあって、広告収入も激減している。当然、オリンピックが開催されることによって得られるであろう広告収入を期待している。結果、小池知事の再選を熱望していたに違いない。

 

勝てる見込みがなく、勝つための戦略もなく立候補し、1億2千万円もの寄付金を集め、それらを使い果たしてしまったのです。太郎さんはそのことに対する心からの謝罪を行うべきだと思います。あの会見だけで済ませるのではなく、HPに文章を掲載するなど、他の方法もあるはずです。

 

ちなみに、緑のタヌキが何故かくも圧勝したのか。その理由ですが、私はコロナに原因の1つがあったように思います。東京都民の皆さんは、コロナを恐怖に感じている。何しろ、東京の感染率は日本1なのです。強い不安を感じている場合、人間は変化を望まない。

 

話を戻しますが、今度は大西つねき氏の「命の選別発言」が飛び込んできた。簡単に言うと、大西氏が自らの動画の中で「命、選別しなければダメだと思いますよ」と発言。大石あきこさんのツイッターに、該当部分の動画がアップされています。

 

大石あきこ ツイッター

https://twitter.com/oishiakiko

 

大西氏本人は、自身の公式Webサイトに謝罪文を掲載。

 

大西つねき 公式Webサイト

https://www.tsune0024.jp/

 

そして、太郎さんはれいわ新選組の公式HPに談話を発表した。看過できないが、除名もしない、という内容。これに対し、フリーのジャーナリストである田中龍作氏が、取材を申し入れているが、何故か、れいわ新選組の関係者に電話がつながらない、とのこと。

 

田中龍作ジャーナル・れいわ新選組の危機管理と山本代表の説明責任

https://tanakaryusaku.jp/2020/07/00023274

 

大西氏の発言については、動画で見た範囲で言いますと、ちょっと言い訳はできないレベルだと思います。大西氏は高齢者問題について言及していて、その内容は「自らの意思で選択する安楽死」という切り口ではなく、政治力で高齢者にお引き取り願うという趣旨に聞こえました。まあ、田中龍作さんが言うように、この問題がれいわ新選組の存亡に関わるとは思いませんが、大西氏の政治生命には影響すると思います。

 

それにしても、れいわ新選組の支持者たちにとっては、踏んだり蹴ったりの1週間という訳です。ただ、さんざんな目にあっているのは、れいわ新選組だけではないようですね。立憲の枝野氏は、餃子で失敗しました。これから彼のことは「枝野餃子」と呼びましょう。また、必死になって太郎さんを非難している経済学者の金子勝氏ですが、短いツイッターの文章の中でMMTをMTTと2回も誤って記載し、大恥をかいています。この人、MMTを勉強する前から、「MMTみたいな馬鹿なことを~」などと発言していたのです。その後、大竹まことのゴールデンラジオに出演し「MMTに関する分厚い本を読んだ」と発言。挙句の果てにMTTと言っている訳です。何かを批判する際には、まず、その批判対象をよく勉強すべきです。大学教授にしてこの体たらく。今後、彼のことは「MTT金子」と呼びましょうか。

 

話は変わって、野党共闘の話ですが、そもそも立憲を支持している連合という団体は、旧民主系の政党が共産党と手を組まないようにするのが、その役割なのだと思います。連合から支援を受けている立憲や国民が、一体、どうやって共産と共闘できるというのでしょうか。そして、この野党連合を画策したのが市民連合という団体で、そのトップに学者の山口二郎という人がいます。この人も二言目には、太郎さんの批判をしていますが、かねてより消費増税に賛成していたようです。増税派の大学教授ということです。この人も、MMTについては理解していなように見受けられます。

 

増税派の大学教授がトップを務める団体が、何故、市民連合なのか。私は市民ですが、そんな団体を支持したつもりは一切ありません。

 

そんな中、若干、明るいニュースも入ってきました。国民の玉木代表が、「野党は消費減税でまとまるべきだ」と発言したようです。

 

産経新聞: 国民・玉木代表 野党結集すればなんとかなる時代は終わった

https://news.yahoo.co.jp/articles/ebdb691827046b9c6de161516b2f59b50273c69c

 

先のことは分かりませんが、立憲(増税派)主導の野党共闘の可能性は、これで消えたような気がします。国民民主がここで明確に消費減税に舵を切れば、減税派(積極財政派)の受け皿になる可能性もあるように思います。そもそも、国民民主という政党は右へフラフラ、左へフラフラしている政党で、まったくもって信用がなりません。しかし最近、消費税減税研究会で太郎さんと共同代表を務めている馬淵澄夫氏が同党に入党しています。

 

いろいろ批判的なことを書きましたが、私のれいわ新選組を応援する気持ちに変わりはありません。完璧な人間など、いないのです。私を含めて。