新型コロナで大変な事態となっている訳ですが、このような危機的な状況下においては、平時には見えにくい本質が見えてくることがあります。
私は、このブログで述べてきた次の2点について、確信を深めました。1つには、自分だけ幸福になることはできない、ということです。新型コロナが蔓延する日本で、一体、誰が幸せになれるでしょうか。政治家も、株で儲けた成金の人も、みんなリスクを負っている。2つ目は、私たちが頼りにできるのは、やはり国家しかないということです。現在、世界中の国々が、出入国を制限しています。あたかも鎖国のようです。そして、幸か不幸か、私たちは日本という国家の領土内で暮らしています。そして、この領土内が今後どうなっていくのか、それは政府の手腕に掛かっている。他国の政府に頼る訳にはいきません。私たちが頼りにできるのは、日本政府だけなのです。
さて、首都圏で外出自粛要請が出されてからは、流石に危機感が高まってきたようですが、その直前まで、若者は都心に出かけ、多くの人々は上野あたりで花見を楽しんでいました。また、開店前のパチンコ屋の前には行列ができていたとか。どうしたことだろう、日本人には危機感が足りないと感じる訳ですが、反面、トイレットペーパーや食料品の買い占めが続いている。
このような一見矛盾した行動というのも、実は、認識の問題から生じているのではないか。コロナウイルスというのは、目に見えない。認識することが困難だ。一方、トイレットペーパーなら、毎日、使っている。その差ではないかと思います。但し、トイレットペーパーの品不足は、既に、解消に向かっています。また、食料品の在庫や供給能力にも問題はなさそうです。私たちが、本当に認識すべきは、コロナウイルスの方だと思います。
この目に見えないコロナウイルスというのは、あたかも概念に似ている。例えば、自由だとか、死だとか。そういう目には見えにくい概念というものと日頃から向き合っていないと、コロナウイルスを認識することができない。
すなわち、認識能力は生存確率に比例する。
ところで、ミシェル・フーコーとジャック・デリダの論争ですが、どうやら「理性は狂気を理解できるか」という点がポイントだったようです。勉強中なので、現在の私にはうまく説明することができません。とても難しい論議なのですが、結論だけ言うと、デリダはできないと主張し、フーコーはできると考えていたようです。
理性は狂気を理解できるか。大変、興味深いテーマですが、この問題、どこか現在の私たちの置かれている状況に似てはいないでしょうか。
コロナ対策で、自民党周辺から上がって来た案に「お肉券」とか「お魚券」というのがあるらしい。これはもう、狂気としか言えないのではないか! この狂気をいくら真面目に考えたって、そんなもの理解できるはずがない。
例えば、安倍総理は「完全な形で予定通り、東京オリンピックを開催する」と言い、舌の根の乾かぬ内に「1年延期する」と言う。そんなにすぐできるはずはない、と思っていたら、今度は「コロナとの闘いは長期戦になる」とのこと。地球には北半球と南半球がある訳で、これから冬季を迎えるアフリカや南米では、むしろこれから感染が拡大するのではないか。一体、新型コロナの問題はいつ収束すると考えているのだろう。そう思っていたら、安倍総理は「それは誰にも分からない」と言う。では、一体どのような根拠で東京オリンピックの開催を1年延期することにしたのか。これはもう、理解不能と言う他はないのです。
ちなみにIPS細胞で有名な山中教授は「1年は続く可能性のある長いマラソン」であると指摘している。
山中教授のHP
https://www.covid19-yamanaka.com
「みんなで生き延びよ!」。憲法はそう言っている。だから今、政府がやるべきことは、全国民が生き延びることができるように対策を打つことです。これが、日本国政府が達成すべき目標なのです。このことに資本主義も共産主義も関係ありません。では、目標達成の阻害要因は何か。例えば、感染を防止するためには、stay at homeだと言われている。では、全国民に住居を保証するべきだ。お金の問題だってある。既に困窮している人たちは、少なくない。
そんなことを考えておりましたら、私の考えにぴったりな政策が、薔薇マークキャンペーンから、公表されていました。経済学者の松尾匡氏が主宰している団体です。
薔薇マークキャンペーン
https://rosemark.jp/2020/03/22/rose_shock-1/
余談ですが、アメリカにおいて、中国を相手取る集団訴訟が多発しているようです。この仕組みをちょっと解説します。これはclass action(集団訴訟)というものですが、まず、アメリカの弁護士が、新聞やネットなどに広告を出す訳です。さあ、コロナウイルスで被害を被った皆様、中国を相手に裁判を起こしましょう。コロナウイルスの被害が拡大したのは、中国政府の対応がまずかったからです。あなたの代理人は、私がやってあげます。というような広告です。手数料は低額で(千円程度?)、簡単に原告団に名を連ねることができます。よって、原告の数は膨大になる訳です。裁判は、アメリカの州の裁判所に提起され、大半は陪審制によって裁かれることになります。陪審制ですから、一般の国民が判断を下す訳です。一般国民ですから、当然、感情に左右されます。結論から言えば、中国に勝ち目はありません。そして、賠償額は天文学的な数字になるものと予想されます。仮に、中国が賠償金を払った場合、その4割~5割は、原告側の弁護士の報酬に当てられます。従って、これで一発当てれば、その弁護士は一生遊んで暮らせる訳です。
他方、アメリカにはディフェンス側の弁護士も多く存在します。当然、彼らは既に中国政府に売り込みを行っているでしょう。あなた方の代理人は、私どもにお任せください、という訳です。彼らの報酬も高額で、1時間当たり5万円程度は取ると思います。裁判の結果に関わらず、アメリカの弁護士が儲かる仕組みになっている訳です。
嫌な国ですね、アメリカというのは。
仮に中国が裁判の評決にも関わらず、賠償金を支払わなかった場合、アメリカ国内に存在する中国の資産が差し押さえられることになります。
しかし、中国だってそう易々とお金を払うとは考え難い。政治問題化する可能性もあるのではないでしょうか。新型コロナの問題で、世界の政治、経済が激変するかも知れません。